【時間学者の仕事】(第1稿・2002/10/25)


「あなたは、年がら年中ひきこもっていて、何もしないでいていいんですか?」
「何もしていない? まさか、私はひと時もたゆむことなく、大切な仕事をしているのだよ」

「仕事ですって? 私はあなたの生活ぶりをここ何日か観察してみましたけれど、あなたは
一日中、腹が減ったらご飯を食べる以外には、テレビを見てネットを巡回てゲームをしたり
して遊び呆けた挙句に、眠くなったら風呂に入って寝るだけじゃないですか。それのどこが
仕事なんですか?」
「君の言うとおり、それが私の仕事なのだよ」

「どういうことですか? あなたは一体、何をしているというのですか?」
「何をって……そうだな、しいて言えば」

「しいて言えば?」
「……私は、歳をとっているのだよ。それが私の唯一の仕事なのだよ」


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