工藤伸一の小説
Don't be cruel〜冷たくしないで〜
新婚物語
 
【第1稿】 2002/10/04〜(未完につき執筆継続中) 【最終更新日】 2003/02/19

第1話
「麻衣子、ただいま」
「ダーリン、おかえりなさ〜い!」
「今度から月に3日ほど出張することになったよ」
「え〜っ!? そんなの麻衣子、さびしいよぉ!」
「ひと月に3日くらい、我慢できるだろ?」
「できないよお! だって私たちまだ新婚1年目なのに〜!」
「でも結婚する前は週に一度しか会えなかったんだ。たまには会えないくらいでちょうどいいんじゃないか?」
「そんなことないよ! ダーリンは麻衣子のこと、たまにしか考えてくれてないっていう
の!?」
「仕事中は考えないかな」
「え〜!? 麻衣子は家事をしてるときもお買い物するときもダーリンのこと考えているのに!」
「そりゃあ、家事だからだよ。家事なら他の事考えながらだってできる」
「なにそれ〜! ばかにしないでよ! 家事だって大変なんだから!」
「ごめんごめん。それもそうだな」
「ダーリンて意外と冷たかったんだ。ほんとにわかってくれてるの?」
「ほんとだとも」
「でもいまいち信用できないよ」
「じゃあ、どうすればいいっていうんだい?」
「出張のとき、麻衣子も出張先にお泊りさせてよ」
「ばかいうな。遊びじゃなくて仕事で行くんだぜ」
「でもでも〜、一緒に連れてってよ〜!」
「しかし現実的な話、君の滞在費は会社に請求できないんだ。もったいないよ」
「なによ! 麻衣子の旅行費がもったいないっていうの!?」
「だってそうだろ、俺は仕事で行くから、遊んでやる時間もない。旅行なら別の時にしたほうがいい」
「そんなこといって、ダーリンは仕事忙しいからって旅行なんてハネムーン以来連れてってくれてないじゃない!」
「それもそうだな。でもやっぱり、短期の主張に夫婦で行くなんておかしいよ」
「なんで?おかしくないでしょ?」
「同僚に笑われるよ」
「同僚なんかどうでもいいじゃない!」
「どうでもよくないよ。俺の会社での顔ってものもあるんだ。わかってくれよ」
「わからないよ!ダーリンは麻衣子より同僚の仲間のほうが大切だっていうの!?」
「そんなこといってないじゃないか」
「言ってるよ! ダーリンは麻衣子のこと、愛してないんだ! うわ〜ん!」
「おいおい、泣くなよ。愛してるに決まってるだろ」
「……ほんとう?」
「ほんとうだとも」
「じゃあ、キスして」
「わかったよ。……でも、キスだけでいいのかな?」
 といってダーリンは麻衣子を抱きかかえてベッドに連れて行く。
「ダーリンったら情熱的なんだから〜!」
「むふふふふふふ。今日は燃えちゃうよ〜ん!」
「いや〜ん! えっちぃ!」
 こうして新婚夫婦の長い夜が今日も始まるのであった。    《第2話につづく》

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