工藤伸一の小説
小説
【第1稿】 :2003/04/19 【最終更新日】 :2005/06/17

 今更になってやっと気が付いたのです。私は「小説を書きたかった」わけではなかったのです。私はずっと「小説になりたかった」のです。そのことに気が付いた私は実に晴れ晴れとした気分で黒ビールを煽りながら、香ばしい焙煎ニンニクをつまみました。まるでドイツ人にでもなったかのようにして、女だてらに腋毛はボーボーです。そこへ「あの男」が性懲りもなく姿を現し、纏め買いしてきた6本目のビールを喉に流し込んだばかりで酔い潰れてしまってふらふらの私のムチムチした太腿をムリクリ開いて「クンニ」をしてきました。いつもにも増してあきれ返るほどの超絶舌技テクニークです。しかし私は太腿に力を込めて男の頸を絞め、応戦しました。その甲斐あって男は死にました。ビールが切れたので、近所のコンビニに買いに行くことにしました。すると新入りの小生意気な鼻ピアスをした店員さんが私の顔をまじまじと見つめながら、「ああ! あなた、小説に出てる人ですよね? アリの穴で読みましたよ。こんなところで会えるだなんて光栄だなあ」なんてちょこざいな台詞を口にしたのでポケットを叩いてビスケットが2つになるトリックを用いて月の裏側に漂っているNASAの忍者的ハットトリックで忍忍。地球が真っ二つに割れてご開帳! 哀れ私は性の肉奴隷となってまったのです。そのことがきっかけでイケメンのジョンと結ばれて、
今に至ります。子供の名前はまだ決めてませんが、とりあえずビル・ゲイツにあやかってロドリゲスかチチョリーノにしようとたくらんでいます。皆さんも、小説には気をつけたほうがいいですよ。ではまた!  (了)

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