工藤伸一の小説
桃尻太郎(やおい篇) 
【第1稿】 2002/06/05 【最終更新日】 2003/02/19

第1話
むかしむかし、あるところにおにいさんがいました。
いつもおにいさんは山へせんずりに行っていました。
ある日おにいさんがせんずりをしていると大きなももがどんぶらこどんぶらことながれてきました。
それは綺麗なお尻のような桃でしたから、おにいさんはその桃を見た瞬間に果ててしまいました。
事を終えて冷静になったおにいさんがその桃をもう一度よく眺めてみると、 それは桃ではなく少年の尻でした。
おにいさんは川に飛び込んでその少年を助けました。
呼吸が止まっているので、おにいさんは応急手当の人工呼吸を始めました。
少年が着ているグンゼの白Tシャツを脱がして、胸元を何度も押しました。
胸の感触もやはり桃のような柔らかさでした。
それと同時に唇を付けての人工呼吸もしました。
唇の感触もやはり桃のような柔らかさでした。
しばらく続けていると幸いなことに少年は息を吹き返しました。
それでおにいさんは今度は、舌を入れてのネットリとした
ディープキスに、人工呼吸の仕方を変えました。
満足したおにいさんは唇を離してから少年に話しかけました。
ところが少年は何も言いません。
どうやら口が利けないようです。
長い間呼吸が止まっていた後遺症かもしれないとおにいさんは考えました。
しかしそれはある意味、おにいさんにとっては好都合でした。
おにいさんはゲイでしたから、子供を作ることが出来ませんでした。
それを不憫に思った天からの授かり者に違いないと思い、おにいさんは少年を家に連れ帰りました。
桃のように綺麗なお尻をしていることからその少年を「桃尻太郎」と名付けて一緒に暮らすことにしました。    《つづく》

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